新しくて 懐かしい ババとフレジエール

こんな伝統的なフランス菓子の進化形に出会うと、自然と口元がゆるみます。「あらまぁ、なんて愛らしいこと!」。上のお菓子はババ。口当たりのよいシャンティーにのっているのは,薄ピンクのバラの花びら一枚と、細長くカットされたヴァニラのさや。このようにフェミニンなババも、もとは右岸のモントルグイユ通りにある菓子の名店「ストレール」の創業者が、彼の出身地であるロレーヌ地方から持ち込んだもの。                                              「フランスの北東部、ロレーヌ地方に亡命したポーランドの元国王、スタニスラス・レグサンスキーは、乾燥してかたくなったパン菓子のクグロフを食べやすくするために、アルコールに入ったシロップに漬けてみた。次いでスタニスラスは、同じように香りのついたシロップを含んだブリオッシュでこれを作り、「千夜一夜物語」の主人公の名前をとって “アリ・ババ ” と名付けた」(アレクサンドル・カマス 著,上野万梨子 監修・訳 「パリジャンのレシピ・文化出版局」より)。                                   下は春から初夏にかけて、今の季節ならではのフランス国産苺で作られたフレジエール。この真っ赤な苺の切り口、写真が甘く香り立つようです。くるりと周囲を囲んでいるのはクリームにあらず、ギモゥヴ(マシュマロ)。この「新しくて  懐かしい」お菓子達は、パリ7区、サン・ドミニック通りにある Gâteaux  Thoumieux  で。

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