Delices a table

家庭画報特別企画・ペリゴール地方を巡る旅

家庭画報特別企画による『ペリゴール地方を巡る旅』は、おかげさまで無事に終了いたしました。どれだけ準備に時をかけようと、当たり前なことながら、参加して下さる方があってこその旅です。お集まり下さった皆様、遠くまでよくいらして下さいました!今回の旅行は、フランスで最も品質が高いとされるこの地方の黒トリュフ、メラノスポラムがお目当てでもありましたが、2017年の冬トリュフ先駆けの12月はじめながら、幸運にも写真でご覧のような見事なトリュフに恵まれて、まずはめでたし。お楽しみの一つはトリュフ探しの見学でしたが、初めて出会った時にはまだ1歳の遊び盛りで、チョコマカ落ち着きのなかったトリュフ犬のラルゴが、今では立派に成長し、皆の熱い熱い期待に十分応えてくれたのには感激でした。写真のトリュフ、手前のものはそれぞれおよそ250グラムくらいで、ペリゴール地元のこのお店でのお値段は100g−120ユーロ。トリュフを漬け込んで香りを移した油と、トリュフの香りを移した卵、もちろんトリュフもたっぷりで焼いてもらったオムレツは、なんといっても、やはりトリュフ料理のナンバーワンだったのでした。

 

 

週末の蚤の市で キヌアのヴィーガンサラダ

久しぶりに週末の蚤の市へ。目当てのガラス食器のブチックのオーナーは変わらず、薄暗い店内でおとなしく床に同化しているので、つい踏みつけそうになる彼の愛犬も健在。でもかんじんの売り物は少なくてガッカリしていると、隅の方にありました、ラリックのサラダ鉢が。日常的によくよく使い込まれてきたならではのカスレ具合が、きれいなまま食器棚に眠っていたものにはない幸せな光を放っているようで、心引きつけられます。いくらラリックでも、ここまで使い込まれたものは売りにくいんじゃないかしら?、、、と値段を尋ねると、それが「これはもう売れたんだよ」。そうか、こういうのが好きな人って私だけではないのよねと、かなり心残りに思いながら、店をあとにしたのでした。こうなると、他のものに目はゆきません。写真はガッカリしたその後のお昼ご飯。牛のタルタルやウサギのマスタードソースなどと一緒にメインのリストにあった、Vegan (英ーヴィーガン 仏ーヴェガン)の但し書き付きのキヌアのサラダ。乳製品や卵も不使用の、完全菜食。水っぽいばかりで美味しいとはいえなかったけれど、クリニャンクールでもヴィーガンの時代なのですね。

 

甘いトマトソースとモツァレラのデザート

皮を湯むきすれば、あとは砂糖とレモンの皮を加えて3分間火にかけて冷やすだけ.ほとんど火を使わずにあっという間にできる真夏向きのデザートです。レモンの皮は決めてになるので必須。好みでほんの数センチほどのローズマリーを加えて香りを立てるのもよいものです。この甘いトマトソースの仕上げにリキュールを加えるなら、オレンジ系のコアントローかグランマニエ。表皮ができるだけ薄い、中心部分がクリーミーな水牛のモツァレラや、ブッラータが手に入った時に作りたい一品です。これは天然生活9月号の巻頭特集「夏の夕暮れ、パーティーメニュー」でご紹介しているもの。ココナッツミルクを温める以外は火を使わない「カニとグレープフルーツ、アボカドのタブレ」、「タイ風なすと豆腐のカレー パクチーバタートースト」も是非お試し下さい。

文化遺産という概念を生み出した最初の国、フランス

フランスは 「文化遺産」という概念を生み出した最初の国。19世紀には保護すべき遺跡、教会や城など歴史的建造物のリスト作りをはじめましたが、その対象はやがて橋や水車、風車、歴史的価値のある建物、そして景観にまで及ぶことになります。世界に先駆けて山地復旧に関する法令をととのえたのも、時期は同じ19世紀半ばのフランスです。写真はペリゴール地方(ドルドーニュ県)の美しい村、ドンムの見晴し台から見下ろした景観です。大地に筆をおろしたかのように、静かに蛇行するドルドーニュ川。自然が成すままの雄大さとは違う、人知をもってこそ守られている美しさに目を奪われます。どうぞ写真を大きくしてご覧になり、フランス、、、と静かに一言つぶやいてみてください。。。

話しかけたくなる田舎道の郵便ポスト

優しい起伏が続く丘を上り、下り、目的地の宿をさがしていると、小さな四つ辻でポツンと頑張る郵便ポストに出合いました。この地方の民家と同じように石を積み上げ、アルドワーズ (粘板岩) のかわいい屋根つき。周りには人の手で植えられた花が咲き、まるで童話の世界の小人の家のようです。見渡したところ、目に入る人家ははるか彼方。メールでたいていのことは用が足りる時代、このポストを利用する人って、いったいどのくらいいるのでしょう。誰かが手紙を入れにくるのを、ただただずっと待ち続けているようで、なんだかいじらしく、思わず車を停めて話しかけたくなったのでした。「いよいよ暑くなってきましたね〜〜〜、ご苦労さん。郵便屋さんはちゃんと日に一度は来るんすか?」。あのポストから自分宛に葉書を出せばよかった、と気付いたのはパリに戻ってから。そうそう、東京の実家にも一通。そうすればあのポストにひと仕事してもらえたのにと、残念でなりません。

 

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